第31章 arousal
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結局 一回どころでは すまなかったが、再び ひとしきり快楽をむさぼった二人は、疲労に任せて ようやく少し眠った。
ローが目を覚ますとアルコはすでに起きていた。隣で寝転び頭を起こしていたのに、目が合うと避けるように枕に突っ伏した。
「寝てたな…。身体、大丈夫か」
その髪に触れて耳にかけてやる。こっちを向いて欲しいのに、冷静になったらしいアルコは、耳まで赤く染めて顔を伏せたままだ。
「アルコ」
「……ん」
呼んでも顔をあげない。しょうがないのでローはベッドから出て、ぐちゃぐちゃの部屋を踏み越え、水道へ向かった。水差しに水を汲み、コップと一緒にベッドサイドに置く。
自分の喉を潤してから、アルコにも汲んで差し出すと、彼女はようやくおずおずと起きあがった。
「…ごめん」
コップを握りしめて、アルコは小さな謝罪を口にした。
「謝罪は、必要ない」
おれの傷だらけの身体のことを言っているのか
それとも精根尽き果てるまで求められたことを言っているのか
謝って欲しくなかった
過(あやま)ちにして欲しくなかった
眠っている間、ずっと我慢してきたのはおれの方だったし、それにこれから本格的に治療を開始する。そうすれば しばらくまたアルコの身体を求めることは出来ない。
それを想うと本望だった。きっかけは不明だが 正気ではなかったとはいえ、アルコが おれをこんなにも求めてくれるなんてことは。
謝るということは、しなければよかったと思っているということなのか
恥ずかしいからとはいえ、後悔しているということなのか
おれは アルコが『好き』だから
いつだって ひとつになりたいし
どれだけ繋がっても それでも全然足りなくて
正直まだまだヤり足りないくらいだと思ってるのに
まったく
しょうがねェな