第31章 arousal
苦しんでいる顔も、困惑している顔も
“目覚めて”いればこそ
おれは 誓ったんだ
アルコが 目覚めたなら
なんだってやってやる、と
再び あの笑顔が戻るまで付き合うなんて
造作もないことだ
「欲しいだけ、くれてやる。飽きるまでな」
本当は どうしようもなく“欲しい”のは おれの方だ
この症状は感染するのだろうか
先ほど噛まれた時に、血を交えた時に
感染したのだろうか
─── いや、違うな
おれはいつだって“欲して”いる
アルコが『好き』だから
アルコが何かあるたびに睡眠欲を暴走させているのと同じく、機会があるたびに性欲を暴走させ、何度も何度も異常な程に求めるのはローの方だった。
互いの心に問題があるのは明らかだが、自覚しつつも二人はなかなかそれを解決するために向き合うことはしない。
なぜなら、その暴走があるから保っていられる部分があることに気づいているから。それこそが『呪縛』によって抑圧された心を安定させる手段だから。