第31章 arousal
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研究所
R棟 最上階
「ここは…、どこ?」
アルコはベッドに座ったまま窓を探した。窓の外の白い世界に困惑して問いかけるアルコに、ローは丁寧に説明した。
パンクハザード島
シーザーとモネのこと
ここで行われている“SAD”の研究と製造
シャボンディ諸島をはじめ、その後 各島々で得た情報と推測をまとめた。
アルコは具のないスープでゆっくりと口を浸しながら、ローの話を聞いた。
「この島は…、二人によって怪しい研究と製造の管理が行われている。危ねェヤツらもいるし、ここにある“鍵”は…知るだけで危険に巻き込まれる可能性もある」
「そう…」
「だから…、アルコは この部屋から出さない」
「…えー……」
冗談混じりの言い方で言うので、ローは少し安堵の笑顔をみせた。しかし表情は緩んでも、その提案は緩まなかった。
「『えー』、じゃねェ。お前のためだ。それに…」
「……」
「アルコの身体も、もう限界だ。抵抗力を下げる薬を入れて、ある程度まとめて体内の珀鉛を取り除く治療をする。…睡眠の疲労と体力が回復したらな」
「…わかった」
アルコはそれまでチビチビと舐めるだけにしていたスープを改めて見つめる。意を決したようにカップを握り直したアルコをみて、ローはそのカップを取りあげた。
「無理をするな。ゆっくりでいい」
アルコは弱く微笑んで、重い頭と身体を再びベッドに沈めた。