• テキストサイズ

RUMBLE 【OP 原作沿い長編】

第31章 arousal



いつもと同じ…、いや、日に日に膨れ上がる やり場のない苦しみが、胸を押し潰してきた。それを紛(まぎ)らわせようと、いつものように冷たい唇に顔を寄せる。

しかし唇を触れ合わせようとした直前で、今日は思いとどまった。


『こんな時は、ほら…“処女性”も大事にしないと』


“麦わら”を目覚めさせる前日。

まだ身体の関係を持つ前ではあったが、のらりくらりとそれをかわすアルコに痺れを切らし、冗談半分に押し倒した。そんな自分に謎の理屈を突きつけて拒んできたことを思い出し、ローは小さく笑った。


「『祈り』の『奇跡』……か」


ローはアルコにキスをすることを止め、あの時のアルコの様子に記憶を巡らせる。


祈祷さながらの演奏


まるで一連の儀式のようだった。
“処女性”を重んじ、髪を捧げ(前髪だけで止めさせたが)、演奏に合わせた歌は、語りのようなささやきから始まり、最終的には叫びのようになった。


決して触れることは許されない

そんな雰囲気すら漂う
神々しい その後ろ姿


ひょっとしたら あの時くらいからか
自分の中でアルコの存在が“特別”なものになっていったのは

同時に苛立ちも感じていた

決して 思い通りにならない
決して 手に入らない

普段の彼女の様子からは とても結びつかない
聖女のような姿に驚愕した

──── いや、心を乱された
そして、奪われた


“麦わら”のために奏でられた『目覚めの曲』が ローの心の中で流れ始めた。

瀕死の“麦わら”を乗せてから、毎朝 毎朝、繰り返し演奏していた あの曲。
潜水艦のホーンを通じて、クルー達や自分の目覚めの曲にもなっていった、耳馴染みのある あの曲。
いつしかクルー達が勝手に歌詞をつけて歌いだした あの曲。



たしか


サビの部分は ────




「め」


「ざ       めて」






/ 834ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp