第31章 arousal
研究所
R棟 最上階
フロアに1つしかない この広くて丸い部屋は、最初に訪れた時のガランとした雰囲気はすでになかった。ローが能力を使って、様々な資料や必要な機器を次々と この部屋に運び込んだからだ。
部屋の中央から少し外した位置にベッドを置きアルコを寝かせている。点滴や人工呼吸器、心拍モニターも繋いだ。
ローは変わらぬアルコの姿に落胆しながら、スープの乗ったトレイをデスクの上に置いて、彼女に近づく。
手の甲でアルコの首筋に触れてから、体温を測る。体温計が示した数字は ────
33.8度
「また下がってる…」
ローは深い ため息をついた。
本当に、大丈夫なのか…?
これ以上 下げる訳にはいかないだろ
再び、ローはアルコの首筋に触れた。今度は身体ごと覆い被さりながら祈るように、すがるように、首から鎖骨のあたりにかけて両手のひらで包む。
身体を流れる血液を温めるために、首筋の大きな血管を探り当て 触れる。
まるで
体温が吸いとられていくようだ
ローは目を閉じてアルコの首筋に口づけた。口づけというよりは、飲み込むほどの勢いで皮膚や肉ごと血管を口内に吸い上げる。
生きている
生きては、いる
しかし ────