第30章 in the fog 【後編】
「アルコ…」
「ぅんっ…、はっ、大丈夫…、…きもち…ぃ、から、続け…て」
『お前の想いには 応えられない』
口一は私の気持ちを受け入れる気がないんだと
“私が知っているということ”を
知られてしまったら
優しい あなたは
もうきっとこんな風には
抱いてくれないから
口一は密着し過ぎて触れられない私の身体に手を伸ばしたいのか。
起き上がりたがる彼の首をとらえたまま、肌を合わせるように押しつけた。
彼は体位を変えることを諦めたようで、私をキツく抱き締めて動きを速める。
「あぁっ、…き…て、…お、願い」
「いい、のかッ、このまま…」
「ん…、こ、のまま…、ぁあッ!」
『お前の想いには 応えられない』
お願い
あなたは忘れたままでいいから
私は知らないフリをするから
だから お願い
このまま 抱いて
「ハァッ、…イ、くぞ」
「んっ、…んんっ、…ッ! あっ、んッ…!」
終わらないで
終わらせないで
アルコは最後まで祈るように 喘いだ。