第30章 in the fog 【後編】
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ホテルの部屋
ローは身体のあちこちに痛みを感じて目を覚ました。
霧がかかったような頭で、おもな痛みの元を探す。キリキリと刺すような右肩の傷と、ズキズキと重い後頭部を労りながら、無理やり身体を起こした。
外は夜。部屋も暗い。
しかし街灯の明るさと外の喧騒が、うっすらと部屋にまで漂っていた。
傍らにはアルコの頭があった。
ベッドサイドの椅子に座り、ベッドに頭を預け彼女自身の腕の中に丸まっている。目を閉じているかどうかは、つややかな黒髪に守られていてわからなかった。
ローはアルコの肩から腕にかけて巻いてある包帯に手を伸ばした。
(アルコも、怪我をしたんだった…か。アルビダ達のいる屋敷で爆発があって…?)
曖昧な記憶を探るようにアルコの髪に触れる。
(怪我……、熱は…?)
それを確かめようと、黒髪をかきわけて首筋に触れた時、アルコがゆっくりと頭を起こした。浅く眠っていたらしい。