第30章 in the fog 【後編】
「小僧…! よくも…ワシの右腕(みGIうで)をっ…、のG~!」
「…女相手でも、余所見は だめよ」
ラオGの掌底のラッシュが途切れた好機を、アルコが見逃すハズはなかった。容赦なく 肩から袈裟(けさ)斬りに振り下ろし、その老体が地面に着く前に剣を軸にして蹴り飛ばす。ラオGは屋敷に沿って植えられている植え込みを越えて、派手な音をたてながら屋敷のガラスへ突っ込んでいった。
「はぁっ、はぁっ…、ごめんね…、元気なおじいさん」
中途半端に破壊されたガラスが窓枠から落ちて パラパラと音がする。ピクピクと震えているので息絶えてはいないが、ラオGが立ち上がる気配はなかった。
これで2対1
残ったのはドフラミンゴだが、そもそも二人ががりでも敵うかどうかわからないような相手に、ローはもうヒドい怪我だし ───
「ロー!!」
アルコが振り返ると、ローはドフラミンゴに手首を捕まれ、軽々と宙に浮かされていた。その下には血溜りができている。
「おれは…、コラソンにそそのかされたお前を恨んじゃいない。ただ戻ってきて欲しいだけだ。“ファミリー”として」
「…都合のいいヤツだ、吐き気がする」
「出来れば傷つけずに連れて帰りてェんだがなァ…」
「うあァァ…ッ」
「ロー!!」
見えない糸で締めつけられているのか。とにかく一撃放とうと振りかぶったところに、ドタドタと人垣がなだれ込んできた。
「やめろ!
ドンキホーテ・ドフラミンゴ! トラファルガー・ロー!!
この島で七武海同士が争うなら…『トラブルを起こす協定違反者』として本部に連絡する!!」
海軍だ。
遠巻きに包囲した数十人の海兵達をみて、ドフラミンゴは ローを絞り上げる手を止めた。