第30章 in the fog 【後編】
「何か…、企んでるような顔だなァ、ロー」
「お前ほどじゃねェ」
ローは刀に手をかけゆっくりと抜刀した。鞘を横へ投げ捨てる。
「!!」
それをドフラミンゴが目で追った一瞬のタイミングで、ローはドフラミンゴに向かって突撃するように走りながら“ROOM”を広げた。
ガッッギィン!!
ドフラミンゴの5本の指先の軌跡を、ローは長刀で受けた。右手で滑るように流し、左手は刀の柄を離して低く構える。
「“メス”」
「“弾糸(タマイト)”」
至近距離で ほぼ同時に繰り出されたお互いの身体をえぐる攻撃は、ドフラミンゴのほほとローの肩をかすめた。
その衝撃で、二人は後ろに距離を取る。
「うゥッ…」
肩を押さえるローに対して、ドフラミンゴは ほほの血を拭いもしない。
ドフラミンゴは膝をつくローに歩み寄り、その肩に足をかけて身体を開かせる。
「く…ッ」
ローの手刀は繰り出される前に踏みつけられた。
「グッ…!…ッ!」
腹を中心に次から次へと蹴りの雨が降ってくる。ドコドコと鋭く重い一撃一撃に、外傷だけでなく体内から血が上がってきて、ローは口内に酸味を感じた。
ザクゥッ…
蹴りの嵐が止んだのは、ローの刀がドフラミンゴの左腕に突き刺さったからだった。