第30章 in the fog 【後編】
庭木の整えられた屋敷の前庭で、ローはドフラミンゴと対峙した。
「ドフラミンゴ…」
「ヨォ…、久しぶりだな、ロー…」
ドフラミンゴは嬉しそうな厭らしい笑みをたたえて、ゆっくりと振り返った。
ドフラミンゴの手には血まみれの男がアゴをつかまれて宙に浮いている。その男は、庭の傍らの倒れた人の山に放られた。そこには、アルビダや船でみた顔ぶれが無惨にも積み上げられていた。
屋敷の2階の窓ガラスが割れる音がした。建物のあちこちから黒煙が立ち昇っている。ドフラミンゴの部下達が建物内で暴れているようだ。
「会いたかったぜ…、“あの”ローが今やおれと同じ七武海とは…、派手にやってるようだな」
「……」
「戻ってこい。おれの元に。おれなら お前の望みも叶えてやれる」
「おれの望み…」
ローはドフラミンゴが放つビリビリとした威圧感に負けぬよう、歯を食い縛った。
「“あの人”を殺したお前に、おれの望みが叶えられるのか?」
──── ふざけたことを
…“あの人”の意思を継いで、お前を止める
それがおれの望みだ
しかし 今 この時期に
直接 衝突するつもりはなかった
ここに飛び出してきたのはいいが…
正直なところ 策など ない
しかし やるしかねェ
不本意だが
ドフラミンゴの目を おれに直接 向けさせることが出来れば、アルコには手を出さないハズだ
アルコはおれを支配するための“手段”であって、ヤツにとっての“目的”ではない
敵わないとわかれば、適度なところで引く
もしくは一旦 従うフリをする
むしろ 好都合かもしれない
ヤツとおれとの差は、どれくらいなのか
それを 推し測るために ────