第30章 in the fog 【後編】
堕ちた天竜人が七武海 兼 一国の国王にまで登り詰めたのは、ドンキホーテ・ドフラミンゴという男の持っている“強運”によるところも大きいだろう。
そして その男の“強運”は ────
「オイ、“あの女”を知っているか」
ドフラミンゴがそう問いかけたのは通りすがりの筋肉質の男。その男は人口の多いこの島で、アルコの素性を知るたった30人のうちの1人だった。
バギー海賊団に属するその男は 買い出しに来ていたようで、大きな紙袋を前方に積み上げながら歩いていた。
男は急に誰かに話しかけられたことに驚いたが、“あの女”がアルコのことを指していることに気づき、そちらに興味を奪われてほほを緩ませた。
「え? あぁ…“あの女”は、七武海の女だろ?」
その回答を聞いたドフラミンゴは、自分の中の小さな記憶にたどり着く。
頂上戦争が終わった直後
七武海“鷹の目”のミホークの居城を訪れた時
帰り際に会った“女”
「ああ…、そうか“鷹の目”のところの女か…」
“鷹の目”にとって、大事な女という訳か
しかしなぜ こんなところに…
“ヤツ”もこの島に来ているのか
しかし、記憶の引っ掛かりが解消されたドフラミンゴのつぶやきは、男によって否定される。
「いや、“鷹の目”なんかじゃねぇよ。
もっと若い……、トラファルガーとかいうヤツの女だろ?」
「!!?」
「!!」
ドフラミンゴとラオGは驚愕し、一瞬言葉を失った。