第7章 鏡
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夕日は落ち、入れ替わるように満月が姿をみせた。
一通り飲み食いして騒ぎ終えたクルー達は、酒を飲みながら語らい始めていたが
「よし、露店 始めるぞ!!」
というペンギンの一言で、酔いつぶれているクルーを除いて全員が急にきびきびと動きだした。
宴会の食事や酒を雑によけて、甲板の隅に置かれていた、まだ開けていない買い物袋を持ってくる。
点灯されたオレンジ色の照明の元、甲板に広げられたのは すべて女物の服や靴、装飾品や化粧品。
「好きなものを選んでいけ」
瓶のままの酒を飲んでいるローが、いつのまにか後ろに立っていた。
「っらっしゃい! お嬢さん、コレなんかどう? セクシーでよく似合いそうだよ~」
シャチが店員のような口調で言うのを笑いながらスルーして、
「こっちにするわ」
首もとだけにレースがあしらわれた黒のトップスを選んだ瞬間
「よっしゃーーっ!!!」
突然、ひとりのクルーが大声をあげる。札束を持ったペンギンがクルーに何枚か金を渡した。どうやらアルコが何を選ぶかに金をかけているらしい。
「じゃんじゃん選べよ。なんせ1億は浮いてるからな!」
ペンギンは、にかっと笑顔をみせる。
「ありがとう」
温かく、海賊らしい豪快な気遣いに、顔がほころぶ。アルコは全員に笑顔を向け、お礼を言った。