第28章 甘いもの
すべての刺激が呼び水となり、新たな蜜が次から次へと溢れ出す。
くちゅ、くちゅ、とリズミカルな水音
割れ目から尻をつたい、お湯を汚しているかもしれないという背徳感から、嬌声とともに愛液を抑えようと抵抗する。しかし もはやそれが無駄な抵抗だということは、アルコ自身が一番よくわかっていた。
「…口一、」
名前を呼ばれ、頭に触れられた口一は動きを止めて顔をあげた。
アルコは 眉を寄せ、上気した顔で羞恥に耐えながらも、真っ直ぐに口一の瞳を見下ろして微笑む。
あきらめたように
負けを認めたように
私の汚いところも
淫らなところも
自分が 一番嫌いな自分の部分をも
受け入れてくれる口一の前では
強がりも恥じらいも まったく意味がない
あなたに 敵うわけがない
だって やっぱり『好き』なんだから
でも、『それ』だけは
もし受け入れられなかったら
それこそ 私のこの『弱い心』では耐えられそうにないから
どうしても『それ』だけは 言えないんだから
せめて『それ』以外は、素直でいたい
ゆっくりとした動きで石の上に膝を立て、自ら左右に大きく開いた。
「お願い…、口一……、っお願い」
「…!」
口一は口を結んで こらえるような表情をしてから、いつものように目を細めて口の端をあげた。
湯に浸かったまま立ちあがり、今度は口一がアルコを見下ろす。アゴに触れてアルコの顔を上げさせた。唇が触れあうほどに顔が近づく。
「素直だな…
アルコ。
…おれは ────」
ズブズブと身体の中心に猛々(たけだけ)しい男根が飲み込まれ、口一の言葉はアルコのよがる声にかき消される。
「ああぁっ………!」
再び埋められた 互いの体内。
不足感は再び塗り潰され、
高揚と欲情が 心を支配する。