第28章 甘いもの
お昼を挟んで、頼まれていた量の木材作りを終えた。
(船に運ぶのは、ローにやってもらおう)
「無理するな」って言われたし、頼りどころを残しておいた方が 心配性のローも安心するだろう。
船に戻ると、人は少なかった。アルビダも船大工もいない。獣狩りをしているのか、温泉に行っているのか。ほとんどのクルー達は上陸しているらしかった。
アルコは今のうちに…と、船のシャワーを使って汗を流した。
*
シャワーを終えて、鏡をみる。
今朝、ローに貼ってもらったほほの絆創膏が剥がれかけているのを、無理やり押さえつける。
両ほほに手をあてて、昨夜の温泉での出来事を思い出した。
温泉で
外なのに
結局、激しいセックスをした
この船では、私達は甲板で寝起きしてるし、『そういう機会』がないのはしょうがないことだけど…
それにしても、野外でなんて
ニヤケをこらえるような鏡の中の自分を戒め、冷静に昨夜の出来事を思い出す。
(私も、大胆になったもんだな…)
やっぱりローは自分にとって、『特別』なんだろうか、と鏡の中の自分に問いかける。
『特別』 ────?
『誰』と違って ────?
『あの時』 ────
真っ暗闇の中で、ゾロとセックスをした時
ゾロには曝(さら)せなかった、“珀鉛病の白いアザ”と“呪い”…いや、自分自身のコンプレックス
それとも、彼とも もっと共に時間を過ごせば、いずれ打ち明けたり頼ったりすることができたんだろうか
治療も進み、身体のアザは半分くらいになった。それとともに、解き放たれていくハズの“心の呪縛”。
それでもまだ、女性であるアルビダにすら 曝すことは出来なかった。
ローになら
ローの前でだけは
自分らしくいられる
『ローなら大丈夫』
その安心感から、大胆にもなれた
彼が望んでくれるのなら ────