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RUMBLE 【OP 原作沿い長編】

第28章 甘いもの






その日の 深夜過ぎ

停泊した船

甲板のいつもの場所で、二人は眠っていた。

座ったまま、立て掛けた刀にもたれて目を閉じている口一の隣で、アルコは竪琴を枕に、身体を丸めて横になっていた。

パチリと目を開けて、音をたてないように頭を起こして、あたりを見渡す。

静かな甲板。
ヤギ達も丸まって眠る中、海岸の波の音だけが響いている。

そーっと立ち上がって、口一を見下ろす。

いつものように目深に帽子を被っているので、顔はみえないが眠っているんだろう。

アルコは少し迷ったが、獣が出るかもしれないし、やっぱり竪琴を持っていくことにした。

背中に担いで、忍び足を一歩踏み出したところで ────


「オイ」


ビクリと心臓と一緒に身体が跳ねた。


「…起きてたの」

「ひとりで行くな」

「……(心配性)」







島の反対側まで、ひょうたん山の谷を越える。

海に突き当たったところで、海岸沿いをさらに少し歩くと 石垣で整えられた場所に出た。

アルコは船から持ってきたランプを掲げて興奮気味に声をあげる。


「わ~、ホントに温泉だ!」


無人島とはいえ、誰かが温泉に気づき、入れるように整えたのだろう。

岩場の海岸とひとつづきになった温泉で、潮溜まりに湯気が立ち込めている不思議な光景だった。


「海水の…天然温泉だな」

「へぇ~、ホントだ。ちょっとしょっぱい。ぬるめかな」


アルコがお湯に触れた指を舐めている間に、口一が服を脱ぎ始めた。


「…で、なんで口一が脱ぐの」

「なんでって、入るからだろ」

「口一、お風呂苦手でしょ。能力者なんだから。見張っててくれるんじゃないの?」

「しっかり見張ってやるよ」


ニヤリとして、なんだか一緒に入る気満々な感じが漂ってくる。


「………フーッ」

「オイ、消すな」

「消すよ。…恥ずかしいじゃない」

「なんだ、今さら」


ランプを消すと、あたりはすっかり真っ暗になった。

波が岩に当たる周期的な音とは別に、パシャパシャと水音が聞こえる。口一が入ったのだろう。

アルコも服を脱ぎ、大きい岩の横の茂みのふもとに、手探りで服をまとめて竪琴と一緒に置いた。




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