第27章 価値観
アルコはローの言葉に安心したようだが、ローの思考はさらに深いところへ及んでいた。
金(かね)の流通していない…『ベリー』という通貨のない島
以前、ディンの言っていた
私利私欲のために“神”を利用する島
グレート・鰤(ブリ)テン島の“教会”の管理
ひょっとすると この島は“男の宝”をグレート・鰤(ブリ)テン島の“教会”に払って、薬やなんかを仕入れているのかもしれない
そのための“儀式”なのもしれない
ローは、木片に錐(きり)で穴を開け始めたアルコをチラリと見た。
アルコに そんなこと言うと、島中の処女を先導して革命でも起こしそうだな
「なに? なんか…企(たくら)んでる?」
「いや…、できたか」
「うん。ありがとう」
アルコはハートのネックレスを外して、後ろのチェーンに木片のかけらをつけた。後ろの留め具が前に回ってこないように、後ろに垂らしたチェーンの先につける。
ローに渡して後ろを向くと、彼はそれをつけてくれた。
微笑みあっていると、なにやら海のほうから騒がしい気配がした。
「おーい! いたぞ! あの島だっ!!」
「キャプテン・バギーッ!!!」
「西へ東へ! 探しましたよ~!!」
3隻の大きな船が現れ、こちらに向かってきているようだ。
「おめェら…、来てくれると思ってた…会いたかったぜ!!」
バギーは砂浜の上で涙ぐみながら飛びはね、船を迎えていた。