第27章 価値観
「ユナのお父さんを、どうしたの」
「愚かな僧弟…、お前達なんかの味方をするばかりに…」
「そんな…っ、お父様を…?!」
「もういいだろ、アルコ」
ローがうんざりした様子で言った。
「コイツらを倒して、治療をする。それで おれ達はこの島を出るぞ」
「ええ。そうしよう」
ローが刀を抜いたので、アルコもそれに倣った。
「愚かな…。この島でそんなことができると思っておるのか」
大僧正は“例の凄み”を発して光り輝き始めた。二人は目をくらまされないよう、目を細めて腕でひさしを作ったが、その腕や頭に次々と何かが飛んできた。
先導された島民達が、口々に罵りながら自分達に石やら何やらを投げつけてくる。
「大僧正様の“宝”に手を出すとは…しょせん海賊!」
「ユナという“宝”を奪いやがって! 何が医者だ!!」
「大僧正様のお導きが理解できんヨソモノめ! 出ていけ!!」
アルコは大剣を盾にして、飛んでくるアレコレからユナを守る。
「何なのっ!? やめて!」
「それがお前らの選択か…」
ローは悔しそうに顔を歪ませた。反撃しようか迷っているようだ。多くの島民が、まるで大僧正の支配を望んでいるようだ。
「待って…! 待ってください!! 聞いてください!」
「ユナ、危ないよ!」
アルコの制止も聞かず、島民の前に歩み出る。
「うっ…、」
「ユナっ?!」
大きな石がユナのひたいに当たり、血が流れるが彼女は怯まず、見えない目を一点から動かさない。