第27章 価値観
ユナが落ち着くのを待って、風呂から出た。
アルコは すねの傷をローに診てもらってから、服を着た。ユナが持ってきてくれたこの島の民族服ではなく、もともと着ていた片袖の服とショートパンツにタイツ、ブーツ。ローも洗って乾いたジーンズを履いた。ローは上は持っていないので、首もとがまっすぐ切られたこの島の服を羽織った。
「行くか」
「ええ」
それぞれの武器を背負い、力強く目配せする。ユナは二人の魂を頼もしげにみていた。
「お前は…、どうする」
ユナに対するローのその言葉にアルコは思わずほころんだ。
ローはユナに選択させてくれている。“女”の意思を尊重してくれる。ローのそういうところがあることが好きだし、尊敬している。
「わたし…、も、…行きます」
「うん。行こう」
三人は布張りの家を後にして、寺院へと向かった。しかし、森へ行くまでの家々の間を歩いている途中、周囲から向けられる異様な雰囲気を察知した。
「なんか…、なんなの? この服のせいかな」
「………」
ユナは何かを覚(さと)っているようだがうつむいたまま答えない。
後ろから駆け寄るような足音に、三人は歩みを止めた。
「………ユナ! あなた、本当に…?」
「…お母様…、…違うの」
「違わんだろう!!」
僧兄を従えた大僧正が現れた。周囲はどよめきとともに、次々と膝まづいて合掌し始める。
でたな、悪エロ僧侶
寺院まで出向いていく手間が省けた。