第27章 価値観
カラフルな座布団に、アルコはユナと向き合って座った。ローはアルコの後ろのベッドに不機嫌な様子で足を開いて座っている。
差し出されたお茶を、アルコはすすった。
やっぱり、自分が淹れた味とは少し違う。葉っぱの量か、蒸らし時間か…。そんなことを考えながらお茶の水面を揺らしてもう一口飲んだ。
「なんだ。話って」
「! …はい…。あの…、ええと…」
ユナはお茶の入ったお碗を両手で持って、口ごもる。少し身体をくねらせてうつむいた。
不安そうな、困惑しているようなその様子にアルコも心配の眼差しを向けた。
「早く言え。おれ達はヤることがある」
「ロー! 大丈夫だよ、ユナ。なにか言いにくいことなんでしょ?」
「………」
きっとあのことだ
昼間、話したこと
『ローは必要だと思ったら、絶対ちゃんと治療してくれるよ。…ユナが何かを犠牲にしなくても』
届いたのかな
響いたのかな
犠牲になんて ならなくてもいいよって
ユナが望むなら
自分で望んでくれるなら
だからお願い
自分で言って欲しい
自分で
自分の生き方を
選択して欲しい
アルコはそう心の中で願いながら お茶を飲み干して、お碗を置いてユナの手に触れた。
それにビクリと大げさに身を固めたユナは、手に持っていたお碗を真上に傾けるように大きく一口飲んだ。