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RUMBLE 【OP 原作沿い長編】

第27章 価値観





日暮れ前

ユナは家の外に出て、父親の帰りを待っていた。父親の“魂”を感じるために、瞳孔を開く。感覚を研ぎ澄まして辺りを見渡すと、父親のものとは別の“特別な魂”の気配が近づいてくることを感じた。

ユナは驚いてその場に両膝をつき、胸元で手を合わせた。

島民が行き交う中、ユナだけは 姿が見える前に“その魂”を感じ取った。周囲にいた人々はユナのその様子を見て、誰が近づいて来るかを察し、同様に膝をついて祈った。


「おおぉ…、大僧正様」

「なんとも輝かしい…」

「神々しい…」


後光が差す大僧正に対して、人々の口から感嘆の声が漏れた。

ユナも手を合わせたまま、静かに目を閉じた。“その魂”を凝視しないように ────







「ユナよ…、父と母を助けたいか」

僧兄を伴った大僧正はユナの前まで歩み寄り、物々しい雰囲気でそう語りかけた。

「はい…。覚悟は出来ています。大僧正様」

「ではコレを。あの若者に」

懐(ふところ)から取り出した、液体の入った小瓶を、彼女に渡した。

「…っ!!!?  そんなっ…?! 私はまだ…」

「よいのだ。ユナよ、そなたは“特別”じゃ。“儀式”は、後でよい」

「…………」


“特別”

それは喜ぶべきことなのか。悲しむべきことなのか。ユナにはわからなかった。

“普通”だったら、母のように生きれたのだろうか

“特別”だったら ──── アルコのように生きれるのだろうか

ユナがアルコのことを想ったことを悟られたように、僧兄が大僧正に進言した。


「大僧正様、女が邪魔では? 」

「女にも薬を使え」

「…………」

「ユナ、お前の“宝”を捧げるのだぞ」

「………わかりました」


ユナの覚悟に満ちた返事を聞いて、大僧正達は踵を返し、人々が膝をついて出来た道を戻っていった。

「ユナの力は、“本物”じゃ…。
しかしそれも“宝”である今のうちだけの話であろう。

その“宝”をあの男が奪ったとなれば…、この島には もはやあの男の居場所はない」




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