第27章 価値観
「まったく…。目眩ましか矢か落とし穴か、どれかにしろってんだ…! チキショーめ」
どうやらバギーも一足先に罠に落とされたらしい。
「で…、“宝”は見つかったの?」
「見りゃわかるだろ! これからだっ!!」
「ハァ~…。とりあえず、出るぞ。どこでもテキトーに壊すなよ。寺院が崩れる」
「どうするっつーんだ。一通り触ったが出口はねェぞ」
「風が入ってくるようなスキマを探せ」
ローの指示で三人は協力して石壁のスキマを探した。アルコも引きずっている袴を手で持ち上げて、瓦礫に登ったり地面を這ったりしながら丁寧に石壁を触って調べていった。
暗くてよくわからないが、バギーもあちこち探っている気配がする。その動きは見えないが、フワフワと浮いているのか…ずいぶん身軽に動いているようだった。
「ん、ココ どう?」
アルコがしゃがみこんで、地面に頬をつけながら二人を呼んだ。
「よし…、さがれ」
「てめェが さがってろ、小僧!」
刀を抜こうとしたローを制したバギーが、何やらゴソゴソと取り出した。
「女! さがってろよ!!
“特製 マギー玉”っっ!!!」
ボッカァァァアンッッ!!!
「うわっ……!」
「てめェ」
「げほっ、げほっ…」
「いきなりやるな」
「さがれっつっただろ! みたか! “特製マギー玉”の威力っ!!」
埃と爆炎にまみれながら文句を言う二人を背に、バギーは ぎゃはははと笑っている。煙が晴れた先に日差しに照らされた森が見えた。吹き飛んだ石を避けながら、三人は身を屈めて外に這い出る。
ローに支えられながら立ち上がって汚れた袴を整えた。
「さて…どうするかな」
「宝探し続行! 決まってんだろ!!」
「私達も、もう一度入ろう。ユナのお父さんが心配だよ」
「お前達はすぐ戻るのか? おれは明かりを探してから行くぞ。こう暗いと からくりが みつけられねェ」
宝のためには意外と冷静なことを言うバギーは「宝を先にみつけても半分よこせよ」と念を押して、走り去っていった。村からランプでも盗んでくるつもりなんだろう。