第27章 価値観
「僧弟よ…。貴様は自分の妻を救いたいだけだろう? そのために何百年も続いた“神”の教えに背くのか。
貴様それでも僧正か!」
「ええ…、
“人の命”を救いたい!!
その慈悲を与えるのが“神”でないなら……
私は“神”を信じない!!!」
“神”を奉る祭壇に、“神”を否定する大きな声があがった。天井の高い大きな空間は その言葉を反響させ、増幅させた。大僧正は怒りにうち震えた形相で僧弟を見据える。その迫力でメラメラと“揺らめく光”を背負っているようにみえた。
「なんという愚かなことを…」
「愚かなのは お前ェらだろ」
「「「!!!??」」」
ローが刀を抜きながら回廊に立ちあがり、臆面もなく言ったので、祭壇にいた三人の男達は驚き振り返った。
「君、なぜここに……」
「“宝”を奪いにきた。海賊なんでな」
「そっち?!」
ローの言い分にアルコは思わず伏せていた頭を上げてツッコんだ。
ユナとお父さんの肩を持ちたいからじゃないの…
本当に、素直じゃないんだから
アルコは少しあきれて、竪琴から大剣を抜きながら立ち上がった。
ローの刀よりも幅広で大きいのその剣は、三人の僧侶達の注目を集めてしまった。男達は全員ギョッとした顔を向けている。
え、まさか………
女が男よりでかい剣 持っちゃいけない…とか言い出すの?
男より先に風呂に入っちゃいけないくらいだから、それもあり得る…
でも、しょうがないじゃない
コレが私の愛刀なんだから