第27章 価値観
「島から出た時に、金(かね)がいるだろ」
「そうだね」
「…アルコは、怒るだろ」
「何を」
「奪うだけだったら」
「!! “金(きん)の玉”かっ!?」
ローは海賊らしい悪い顔で笑った。
なるほど
“宝”を奪う罪悪感を減らすためにやってる訳ね
おもに私の罪悪感をね…
まあバギーが言ってた『寺院の“宝”』は、ユナのお父さんと対立してるっぽい『大僧正様』ってヤツのものだろうから、ソイツが本当に嫌なヤツだったら罪悪感なんてないかも
それに、ユナのお父さんは さっき“宝”のことを「くだらないものだ」と言っていた
どういう意味なんだろう
私達の“男の宝”=“金玉…もとい金の玉”なんて考えも、大概くだらない
ユナのお父さんが「くだらない」と言うんだから、きっと人を救ったり、あると役に立ったりするものじゃないんだろう
そう思えば“黄金”という説も、あながち間違っていないような気がする
確かに、この島で『ベリー』が稼げないとわかった今、“黄金”などの手っ取り早く換金出来そうで価値があるものが必要だ
いつでも少し先のことを考えているローは、本当に頼もしい…というか ちゃっかりしている
「それに…、この島は どこかヘンだぞ」
「ヘンって?」
「薬、海楼石の手錠…、この島の技術を超えた文明的なものが、まったく無い訳じゃない」
「!、それを握ってるのって全部…」
「ああ、そうだ。だから いいだろ? 奪うぞ」