第6章 海底から見る光
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その後、ベポに船内を案内され、何人かのクルーに自己紹介されたり「斬撃にシビレた」「竪琴の音色が響いた」などと言われる。
男物のようだが細身の長袖の服とジーンズを渡され、シャワーを浴びて身なりを整える。
温かいスープをもらい、リビングの廊下の丸窓で海中をみていると、船長室に来るように言われる。
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船長室のソファに座る。
ローは、紙の束を持ってまた向かいあうように椅子に座り、真剣な顔と声で話し始めた。
「結論から言う。
時間をかければ治せるだろう」
「!!!!!!」
ローの言葉に、目を見開いて固まった。
──────── な、なおせ…る????
「期間は…そうだな、1年…くらいはかかるだろうな。この数値を見ろ。炎症反応が出てる。つまりお前は、体内の珀鉛に対してアレルギー反応を起こし始めている。その反応は有害な珀鉛に対してだけじゃなく… … …
──────── 治せるって言ったの?
…自己免疫系をこじらせてるから、一気に珀鉛を取り除くと、免疫系がさらに暴走する。つまり害がない細胞も過剰に攻撃し壊し始めるってことだ。そのために時間をかけて取り除く必要がある。さらに、取り除く時はおれの能力でやるわけだが … … …
──────── 治せる…
…な訳だから、当然激痛だ。たとえるなら、穴のあいたスポンジみてェなもんか。そこを戻すのは自然治癒に頼るしかねェ訳だから、熱も出るし、一気にやると死にかける。死にかけた上に さらに死にかけるような…
てめェ、聞いてんのか」
「な、治せ、るん……ですか?」
「そう言った」
「治してもらえるんですか?」
「望むならな」
──── この人に どんなことをすれば、治してもらえるんだろう。どんなお礼が必要なんだろう。誰を殺せばいいのだろう。口でも穴でも、なんでも捧げるべきだろうか。
アルコの心にそんな考えが走った時、
ローは自分自身の言葉を否定した。
「いや…違うな。
お前が望まなくても………
お前を『救う』ことが
おれの『信念』の通り道みてェなもんだと言えば
お前は 疑うか?」
「!!!!!」
────── 『信念』