第6章 海底から見る光
身体の固まりは解かれず、大きく開いたままの目から、大きな涙が次々に押し出された。
ローは開けた脚に両肘をついて、前傾姿勢になる。そのせいで、2人の顔がぐっと近づいた。息のかかる距離でローは問う。
「もうじき死ぬと思って絶望したか」
アルコは開いた涙目を拭わず、ローの目をみつめたまま小さくうなずく。
「世界が全部壊れればいいと思ったか」
アルコの大きな一度のまばたきとともにうなずくと、さらに涙が零れ落ちる。
「あきらめたか」
アルコは、ふるえるようにうなずく。
「治ると聞いて、嬉しいか」
アルコは、崩れた顔で大きく何度もうなずく。
「だろうな」
そういったローは
左手をアルコの頭に ぽんっと置いた。
みると 彼は
今まで見せられていたニヤけた笑い方でななく
少しだけ両目を細めて
優しい思い出を見つめるみたいに
一瞬だけ
ほんの一瞬だけ 笑った