第27章 価値観
「怒られちゃったの?」
「だな」
「あらあら」
ベッドに座っていたローはそのまま後ろに倒れた。「怒られた」という割には、ローの顔は なぜか少し笑っていた。
アルコはローの手から、もう飲む気がなさそうなお茶の入ったお碗を取りあげて傍らに置いてから、自分も隣に座った。
ローは寝ころがったまま、アルコの左腕に巻いた白い布を外し始める。
「え。外すの? …まだ人に会うかもだし…」
「いいじゃねェか。
別に誰に何を言われても…、おれとアルコがいいんなら、いいのかもな」
ローは現れた白いアザを指の背で撫でた。
『トラブルになるから隠しとけ』って
『私の心は耐えられない』って
そう言ってたのに
アルコはため息をひとつついて、ローと同じように上半身をベッドに沈めた。
お香のような茶の匂いが、甘くて酸っぱくて香ばしくて爽やかで気持ちいい。ベッドの布にもその香りが染みついている。アルコは掛け布に すっかり顔を埋めて目を閉じた。