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RUMBLE 【OP 原作沿い長編】

第27章 価値観



お堂のような場所の隣。

ユナの家から5分程歩いたところに、『客人の間』と呼ばれる その家はあった。建ち並ぶ家々よりは小ぶりで、その家もやはり布で出来ていた。

カーテンのような入り口の左右には、紋章が描かれていた。字のようなものも書いてあったが、読めない。紋章も何のシンボルかよくわからないが、ハートを逆さまにしたような部分に目がいった。

ユナの家より天井は低い。円柱のテントの中央には柱が立っていた。柱の奥には大きなベッドがあり、さらにその奥は洗面室に続いているようだった。清潔な布やポットもある。

ユナはアルコに部屋にあるものの使い方を一通り説明した。

「お風呂のお湯は、後で沸かしにきます」

「お風呂があるのっ?! うれしー…!」

アルコは手を合わせて飛び跳ねた。遠泳、血まみれ、牢屋帰りだ。無理もない。

アルコは奥の洗面室へ行っては「スゴい」「かわいい」などと言いながら部屋中跳ね回っている。ローはそれを鼻で笑ってベッドに腰かけた。

ユナが膝をついてお碗を渡してきた。先ほどは口をつけなかった茶湯を、ローは受け取りすすった。その音を聞いて、ユナはうっすらと微笑んだ。

「お前のその目は…、一応 診てやろうか」

「いいえ…、“コレ”は…。
わたしはこのままでいいんです。よく見えないからこそ、わたしには“魂”が見えるんですから…」

「しかし、そのままじゃ不便だろう。矯正すれば…」

「不便だなんて、あなたが決めないでください」

ユナの凛とした声に、アルコは動きを止めた。

「それは、あなたの価値観で…、
あなたが決めないでください」

ユナの視線はローの首もとあたりを真っ直ぐ見据えたままだ。

「そうだな…。悪かった」

ローがユナの切り揃えられた栗色の髪に触れると、彼女は「すみません」と大きな声で言って、部屋を出ていった。




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