第27章 価値観
「オイ…!」
ローが腕を差し出すと、兵のひとりが海楼石の手錠を外した。
「オイ!!」
檻に繋がれた手錠をガチャガチャと鳴らしているバギーを振り返った瞬間、再び檻に錠が下ろされた。
「オイ!! おれ様は!!!?」
「お前は…ダメだ」
「なんでだ!!」
「…………っあの…」
アルコが口利きしようとしたところを、ローに遮られる。
無情にもバギーはそのままに、初老の僧正と兵は立ち去っていく。その背中に、バギーはギャーギャーと声をかけるが、一行は振り返りもしなかった。
「あの…、ありがとうございました」
「ユナが『特別』だと言うもので」
「オイ! 裏切りもの!!」
「礼がしたい。…あの娘にも」
「…君、服を着てくれるか」
「おれを無視するなっ!! あァ?! オイ! コラッ!!」
ローは手錠があって着られなかった服を着た。ユナが与えてくれた紺色の半袖のカットソーはローの身体にフィットしていた。
「こちらへ」
僧弟と呼ばれていた法衣の男の案内に続くが、バギーの罵声はやまない。
男が少し歩き出したことを確認してから、アルコは踵を返して檻に駆け寄った。
「何とかするから、大人しくしてて」
「何とかって、今しろ! すぐしろ!! ホラ、やれ! 何とかしろ!!」
「今は無理だって! とにかく…」
「アルコ! 構うな、行くぞ」
「ぐぬぬぬぬ………、トラファルガー・ロー、おのれェ…!」
ローに檻から引き剥がされ、男に続いて歩くように押し出される。大声で文句を言っているバギーに後ろ髪引かれながら進むアルコに
「大丈夫だ。コレでいい」
ローは薄く笑っていた。