第27章 価値観
「そうだ!! “宝”と言えば! おれはこの島にある“男の宝”を探しに来たのだった!!」
「…“男の宝”?」
「そうとも! 数十年前、この島を訪れた冒険家の日誌と 宝の地図! それを手に入れたおれ様は、この島に“男の宝”があると突き止めた! 地図はアイツらに取られたが、この島の『寺院』を指していたことは解読済みよ!」
「…“男の宝”って、何のことだ?」
「それはわからねェが…、アイツらが地図を奪っておれを投獄するってことは、“宝”は確実にあるんだろう…」
バギーは片眉をあげながら赤い鼻をヒクつかせて、悪どい顔でニヤリと笑った。
「男の……」
「……宝…」
ローとアルコは顎に触れたり腕を組んだりしながら“男の宝”について推測した。そのうち人差し指を立てて、同時に同じ結論にたどり着いた。
「金の玉だな」
「金の玉とか?」
「それだ! 違いねェ!! お前ら、なかなか鋭いな!」
「なら、きっと2つあるだろ。ひとつくれ。おれ達も金(かね)が必要だ」
「そうだね。私達一文無しだし…。協力するから、出来るだけ」
「…協力するなら……まァ、いいだろう。女、それで元気だせよ」
シャボンディ諸島でローに作ってもらったドレスと、グレート・鰤(ブリ)テン島でもらった糠漬けについては、とても諦めきれるものではない。何者にも変えられない、どちらもアルコにとって大切な“宝”だった。
しかし、もう二度と手元には戻らない。
どちらも残ったのは大切な思い出だけだ。
「また作ればいい」
バギーに心配された上に ローにもそう言われて、アルコは返事と笑顔を振り絞った。