第27章 価値観
「さて…、どうするか。どうやって出るつもりなんだ」
ローは“先輩囚人”に尋ねた。
「まあ見てろ! おれの有能な部下達が今に助けに来るだろ! なんせおれ様は、数百人の猛者(もさ)を束ねる大海賊団のキャプテンだからな!!」
だっはっはっは、と笑っているが、何となくウソくさいし そんな他力本願なことで大丈夫なのかと二人は心配になる。
しかし本当ならば、非常に頼もしい。
仮に檻から出られたとしても、次はこの島から出るのが面倒そうなので、コイツの船が迎えに来てくれるなら是非とも便乗したいところだ。
ローはそこに協力する“得”を見出だしていた。そのために“恩”を売るのは悪くない。
アルコのように、無償の親切を配るには、ローには『純粋さ』や『素直さ』が足りなかった。
「お前たちはどうやってこの島に来たんだ?」
バギーは二人に問いかけた。
「船が壊れて、漂着した」
「そう。私達、ぜーんぶ失っちゃって」
アルコは自分で明るく言ったのに、徐々に闇を背負い始めた。
「そう………、私達、
お金も…
ドレスも……
糠漬けも………」
ずーん・・・
「…アルコ…。元気出せ」
「ヌカヅケ…? なんだそれ」
「宝だよ…、
私にとっては宝だったのに…」
「…そうか、それは気の毒にな…」
アルコの陰鬱とした雰囲気に圧されて、バギーまでが労いの言葉をかけた。