第27章 価値観
ローは与えられた服に袖を通そうとするが、両手を鎖で繋がれているし、能力も使うことができないので上は着られない。仕方ないので下だけ履いた。ズボンは股下にゆとりのある黒いサルエルパンツだった。なかなか着心地もいいし見た目より動きやすい。
残りのハデな赤色の布をアルコに渡して、てるてる坊主にしていた白い布を、バギーから隠すように檻の角で広げてやった。しかし両手の鎖があって肩幅ほどしか開かないので、大きく広げて隠してやることはできない。
「これで着替えられるか。…見るなよ」
「誰が見るか! ハレンチ野郎はてめェだろ!!」
布の向こうでは「なんだコレ」とか「あれ?」とか「コレでいいのかな」などと声をあげながらアルコが服と格闘していた。
「ロー…、大変」
「どうした」
「…半袖だ」
小さな声でそう言うので、ローは広げていた布をビィーっと細長く裂いた。
それを“白いアザ”のある左腕にぐるぐると包帯のように巻き、固定してやった。
ローはバギーの方をチラリとみたが、彼はブスッとした様子で村の方を向いて座っていた。
“男の矜恃”はあるヤツだな、とローは少し感心した。
「ありがとう。かわいい服だよね、どうかな」
アルコは狭いその場でくるりと回った。
胸元で合わせるような白い羽織りに、朱色の大きな袴のスカートは胸の下で帯を固定しているので面積が大きい。
「ああ、似合ってる」
「ハデだな!」
バギーもそれを見て、嬉しそうに笑った。