第27章 価値観
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「おい、ユナ! 何してんだよ、こんなとこで」
「なんだコレ…、誰かいるのか?」
「うわ!! エロい人達が死んでるっ」
「死んでないよ…。この人達は…」
「ユナ! お前、こんなエロいヤツら見てると、罰(バチ)が当たるんだぞ! 『ダイソージョーサマ』に言いつけるぞ!」
「どうせコイツ見えないだろ」
「…うわっ?!」
「ひぃっ…」
「げっ!」
ローは起きあがり、騒がしい子供達をにらみつけた。3人の子供達は縮みあがり、バタバタと去っていった。
女は逃げずに入り口から顔を覗かせていた。
(朝か………)
いまだに起きる気配のないアルコ。そのそばでローはあぐらをかいて、アルコの身体にかけている布の余っている部分を自分の下半身にもかけた。
女……と思っていたが、少女だった。自分達よりは幾分か若い。たぶん、十代…前半だろう。
おかっぱ頭、薄桃色の羽織に、紺色の大きな袴をはいた少女に目を向けても、今日は逃げずにじっと顔を覗かせている。しかしその視線はどこかぼんやりとしているようだ。
「水と食料…、助かった。すまない」
「…いえ」
ユナと呼ばれていた少女は、臆しながらも返事をした。
「服もあると助かるんだが」
「! 服……、着てないんですか…?」
「?!」
見ればわかるだろう。若干 話が噛み合わない。
「………見えないのか」
「ええ…、ぼんやりとしか。すみません…、生まれつきで…。すみません」
生まれつき…。弱視か。
しかしわかっているならば矯正すればある程度見えるようになるハズ。医療レベルの低い島なのか…?