第26章 漂流
やるしかない
私が やるしかない
どこかを斬って、本体を取り出すしかない
動きを潜めて胸の下あたりにいるらしい“ソレ”をみつめた。
あんまり太い血管をやると違う意味で命に関わるかもしれない
首の方に行かれると、どうしようもなくなる
手だ
王妃の時みたいに
手の方に追いつめよう
「ゴメン、ロー。ちょっと我慢してよ」
「うっ……?!!」
剣を一旦置いて、仰向けで寝ているローの首の下あたりに肘を乗せて、圧迫した。そのまま“ソレ”に手を伸ばして、追い込むように触っていく。
すると“ソレ”はシュルシュルと皮膚の下を這っていった。
「こっち、こっち、こっちいって!」
誘導するように、肩から腕へ這わせる。
うまくいった
首の圧迫を外すと、ローは赤い顔で再び荒い呼吸を始めた。
寄生虫は腕まで進んでいったようだ。
アルコは二の腕を両手で掴んだ。
掴んでみると見た目より男らしい腕で、両手で包むように掴んでも指が届かない。
これでは隙間から“アイツ”が逃げてしまうかもしれない。
しかも、これでは剣が握れない。
「ハァッ………、ハァッ、ハァッ、やれ、よ……遠慮す、るな………」
「わ、わかった!」
アルコは腕の上に股がった。ちょうどハートのタトゥーのある三角筋あたりにお尻を乗せて体重をかけ、腕の付け根を太ももで挟み込んだ。
「指を………お、とせ」
「何言ってんの!! やだよっ、怖い 怖いっ!!」
………とは言え
手首は血がどばーっと出そうだし
………指?
後でくっつけれるの??
でも、私が斬ったら痛いし、ローの能力みたいにスパッとはいけないし…
やっぱり こっちかな
手の甲を向けて腕を観察し、進んでいく“アレ”の動きを予測する。
手の甲と前腕のタトゥーの間。
手の甲側の手首。
「………いくよ!」
「…やれ」