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RUMBLE 【OP 原作沿い長編】

第26章 漂流



時折頭から波をかぶるので、目に溜まっている涙はすぐに流れるが、代わりに顔中 海水でぐしゃぐしゃになる。

駆けめぐる思考、想い出、大切な言葉を追想しては、現実に戻る。

そんなことを繰り返しながら泳いでいたので、アルコはすぐにはそれに気づかなかった。


水平線に近く、傾きかけた太陽が、その島のシルエットを浮かびあがらせるまで。


「ロー、島だよ!!!  島がみえたッッ!」


アルコは振り返り、背中のローに伝えるが、返事はない。

「ロー!  大丈夫?!  もうすぐだよ!!」

「…………ぅ……」

え…、大丈夫かな

なんか……ずいぶん ぐったりしてる気がする

でも、今はこれ以上どうにもできないし、とにかくたどり着いてからだ

かろうじて返事があったことを確認したら、再び泳ぎ始める。泳げるスピードが心なしか上がった気がした。


日が沈む前に

あの島に人は住んでいるのだろうか
島の目印となる灯りはつくのだろうか

今夜は月は何時に出るんだっけ

絶っっ対に 見失う訳にはいかない





目標が定まったアルコは、ただ無心で泳いだ。

なかなか島は、見た目の大きさを変えない。

島までの距離が近づいた実感がないまま、日は完全に落ちた。

宵闇の中、再び不安と絶望に支配されそうな心が、背中側から登ってきた満月によって照らされた。

月明かりで再び浮かびあがった島のシルエット。

アルコは再び涙を流す。


ありがとう、みんな

ありがとう、“神様”

ローを生かしてくれて


アルコは島についてからの想定を始めた。


上陸できる海岸はあるだろうか

人はいるのだろうか

休める場所はあるのだろうか


ここで体力を使い果たしては いけない。上陸して、ローの具合をみて、必要な処置をして、安全な場所で無事休ませるまでが『彼の命を預かるということ』。


アルコは再び長期戦を覚悟し、泳ぐスピードを緩めて月明かりに照らされた島に向かって泳ぎ続けた。





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