第26章 漂流
「完全に想定外だな」
ローは能力で調達したロープで、自分の愛刀とアルコの竪琴を背負うように、裸のままの上半身に縛り始めた。
「泳ぐ方角は………あっちだぞ」
「泳ぐって?! ロー、泳げないでしょ」
「だから教えてやってんじゃねェか」
「え」
待って
待って
落ち着け
最高点に達した時
速度が0になった時
一瞬
止まった時の中で、ローを見た
「預けるぞ。おれの命。
…まあ、おれが死んでも…、気にするな」
笑っていた
死ぬかもしれない この状況で
彼は笑っていた
まるでローグタウンの処刑台の上の
ルフィのように
噂に聞く
かつてのゴールド・ロジャーのように
泳ぐ方向
何か目印
太陽の方向は
『がんばってね。あなたは“負け”ないわ』
『小僧には手を焼くと思うが“負け”るなよ』
────── “負け”ない
「ロー、お願い」
「?」
「水面の何かと入れ替えて。落ちる衝撃で沈むよりは」
落下が始まる中、アルコは空中でローに背を向けてローの腕を肩に担いだ。
その瞳に、迷いや揺らぎはなかった。
背中にしがみついたロー。アルコの目の前に3本の指が差し出される。
「いくぞ」
「ええ。いつでも」
ブウウゥゥ・・・ン
「 ─────“シャンブルズ”」