第26章 漂流
──── 体内はやはり……
ローはアゴ髭に手をあてて、考えていた。
“珀鉛”が残っていたのか。
それを身体が攻撃しているのか。
皮膚に現れて“境界”がわかればその部分のすべてを取り除くことができるが、体内は“境界”がわかりにくい。中途半端に取り除くと、それが刺激となって周囲の“珀鉛”に身体が過剰に攻撃を始めてしまうのか。
やはり体内はどこかで落ち着いた場所で、きちんとした設備のあるところで、その後休める期間を空けられるところで、一気に治療しなければ。
とりあえず、喉の“珀鉛”を出来る限り取り除いておこう
そう思って刀と“珀鉛”を集めて閉じ込めている小瓶を手繰り寄せた時────
『せめて……今は治療はやめたほうがいい』
アイビーの助言が思い出された。
なぜアイツはあんなことを言ったんだろうか。
しかし『わかることは、よくわかる』不思議な少年の助言を思い出してしまった以上、ローの頭の中からは“治療をする”という選択肢はすでに除外されていた。
「……」
“珀鉛”の粉の入った小瓶を 空に掲げて透かしてから、ポケットにしまった。