第26章 漂流
アルコは後ろ手で下着のホックを直し、シャボンディ諸島でもらった片袖の服と付属のグローブを取り出した。
航海中は片腕だけ日焼けするのも嫌だったので着ていなかったのだが、やはりこの服を着ることにした。
アルコは喉に手を当てて、小さな咳払いをひとつしてから、服を被ろうとしたのだが、ローに阻止された。
「喉…、痛ェのか」
勝手に下着のホックを外してきたりして、てっきり いやらしい顔をしていると思ったのに、ローの顔は真剣だった。
「あ、うん。少し…」
「いつからだ」
「前の治療の数日後…くらいからかな。直後は大丈夫だったんだけど、少し後で…」
「言えよ」
「でも、少しだけだよ。そんなに痛くない」
「…熱はないな。違和感あるか」
「少しね」
その場に座らされ、ライトとピンセットの先に鏡がついたようなものを持ってきたローも、向かい合って座った。