第25章 high sensitivity
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「わ、スゴい! 速いね!」
「ジジィ…! なんだこの急流は」
「海坂(うなさか)じゃ。“新世界”では よくあるじゃろう、知らんのか」
まるで激流の川下りのように海を下る。
2隻の船の先頭をいく“ジブラ”が波をかき分けてくれるため、幾分かは衝撃は和らいだ。
しかし、船底はギシギシと不安を煽る音をたてて きしんでいる。ローは『クウトリワ』の木片を少し沈めるように操って、衝撃を吸収させた。
ズザザザザザザザ・・・・
「耐えろよ、コレを抜ければ“キビレ海流”に乗れる」
「グエェ ────ッ」
「がんばって! “ジブラ”、ロー」
「クッ……、ギリギリだな」
「抜けるぞ! 小僧、備えろ!!」
“海坂”の終わりに差し掛かった時、“ジブラ”は泳ぎのスピードを緩めて振り返った。
しかし急流と凪の境い目は、見えない壁のように立ちはだかり船にぶつかった。前を行くシルバーの船はモロにその衝撃を受け、ロープで繋がれた2隻の船は 空中に吹き飛ばされた。
バキィッッッ・・・!!
「うそ…、飛んでる………?! ムリムリムリ!」
「いかん………っ! 大破するぞっ…」
「落ち着け、つかまってろよ。
──── “シャンブルズ”」
凪の海を漂っていた木片と入れ替えられた2隻の船は、何事もなかったかののようにポカポカと陽光に照らされて浮かんだ。
「・・・・なんじゃ?!」
「クエェッ?? クェッ?!!」
シルバーは身体に力を入れたまま困惑し、“ジブラ”も状況がわからず辺りを見渡していた。