第25章 high sensitivity
*
「わ」
ローはアルコを能力で土手の上から降ろした。
予告なくそうされたことにアルコは少し驚いたが、まあ彼ならそうするかと納得もしたので素直に礼を言った。
「ありがとう。
…届いたかな」
アルコは大事そうに竪琴に触れて、花畑の方向に目を向けた。
青い森で死んだ12人の子供達と
生き残ったにも関わらず、その後 緑の海で死んだ男の子
とくにローに答えを求めて問いかけた訳ではなかったのだが、ローはアルコの後ろから、素肌の方の肩に手を置いてつぶやいた。
「ああ、来てたよ。
『好きだ』って言ってた。
…アルコの竪琴の音が」
「そっか、よかった」
「…おれもだ」
ローはアルコの肩にかかっていた黒髪を一筋 持ち上げて、彼女にバレないように自分の唇に当てた。
「そっか…、よかった」
アルコは ひとつ息をついてから振り返って、嬉しそうな笑顔をみせる。急に振り返ったので、ローの指から黒髪がすり抜けていった。
「アルコさん、素晴らしかったです!
行きましょうか、長居はよくない」
「ええ、ありがとう。行こう」
ディンとアルコは青い花畑を横目に、森の出口へと歩みを進める。
ローは『クウトリワ』の木片を抱え上げた。
「ズルいよ、ロー」
「うるせェな、わかってる」
アイビーはローの抱えた『クウトリワ』の木片の上にちょこんと座ったまま、じとっとした視線を向けていた。