第25章 high sensitivity
「何人の子供が……死んだの?」
「12人……です」
アルコの問いかけは突然だったが、ディンは驚かなかった。しかし、ディンのその回答にはアルコとローは驚きを隠せず、息を飲み眉を寄せた。
12人 ────
「事故当時、森で遊んでいたのは13人の子供達でした。異変に気づいて、大人を呼びに行った“ひとりだけ”は生き残ったそうです」
「…そう、なんだ」
アルコとローは、それだけで理解した。
確認するまでもない
生き残った子供は、きっと金髪で緑色の瞳の男の子 ────
アルコは たまらず立ちあがり、背にしていた土壁の斜面を登り始めた。
「オイ、何するんだ」
ローの身長よりも高い、小高いところまで身軽に登りきったアルコは、そばにある木に手をかけて上から顔を覗かせた。
「弾く」
こうなったら止めても無駄だ。
きっとそこからは、花畑の一部が見えるんだろう。ココでアルコが『弾く』と言ったら『弾く』んだろう。それが確か“楽師の誇り”なんだろう。
ローは今までアルコが座っていた大きな石に寝転び、帽子で遮られた狭い天を仰いだ。
心地よい風に、甘ったるい花の匂いがかすかに乗っているような気がした。
夕方前の高い青空
ココでこんな風にアルコの演奏を聴くのは、悪くない