第25章 high sensitivity
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「日が暮れる前に戻れそうだな」
「ホントにすみません…。ぼくもまだまだ勉強が足りないですね」
「もう謝らないでよ。ディンがいなかったら、何日かかっても見つけられなかったよ、私達」
ローが抱えている『クウトリワ』の木は、5度目の採集でようやく探し当てたものだ。
一度、横スイングでローを投げ上げようとして派手に失敗した。しかしその後も試行錯誤を繰り返したおかげで、ずいぶん安定してローを投げ上げられるようになった。それだけでも、十分な成果だ。
『クウトリワ』の木を探して、いつの間にか三人はずいぶんと森の奥まで入り込んでいた。
「…大丈夫か。
ディン、アルコを少し休ませたい」
「大丈夫だよ」
「大丈夫じゃねェよ。医者に逆らうな」
ローの優しいんだかキツいんだかわからないような言い方に、ディンは慌てて辺りを見渡し休めそうな場所を探す。
しかし 言われた本人であるアルコが、何てことないようにニコニコしているのを見て、二人は本当に信頼しあっているんだな、とディンはすぐに落ち着きを取り戻した。
「行きに休んだところまで、もう少しです。そこまで大丈夫そうですか?」
「ええ、もちろん。ありがとう」
アルコはローに向けていた笑顔のままで、ディンにそう答えた。