第25章 high sensitivity
「コレでいってみようか」
アルコは両手で斜め後ろに大剣を構えたまま、ローに背を向けて身体をひねり振り返る。
「先の方に乗ってね、できるだけ」
「わかった」
ローはフゥー、と一息ついてから、数十メートル先でバックスイングの姿勢のまま背を向けているアルコを見て、成功をイメージする。
(いけるだろ、おれ達なら)
「──── いくぞ」
ローが走り出すと同時に、アルコは大剣をさらに下げていく。
切っ先が地面につき、浅い角度で差し出された。
後ろに倒れる身体とバランスを取るように、アルコは左足を高く上げた。
(乗せる前に、力を入れる…!)
剣に覇気をまとわせて、ローが踏みしめる前に力を入れて投げ上げ始める。
そうでないと力が足りず、乗せてからでは動かなくなるだろう。しかし、できるだけ低い位置で。
ローが数メートル先で飛び上がり、両足で刀身に乗ってきた。
(いけるでしょ、私達なら)
最大限に後ろに振りかぶったアルコの身体は大きくのけ反り、目線は真上。高く上げた左足の向こうには、青々しく茂る『クウトリワ』の葉が揺れていた。
「ぅぐ …………… んぁッ!!」
スマッシュのように大剣を前に振り抜く。
トップスピードに達した一番高いところで、ローは刀身を蹴り捨てるように飛び上がる。
「おおおぉぉっっ!!」
ディンが興奮して、拳を握りしめ男らしい声をあげた。
反動で地面に突っ伏したアルコは、それを聞いて成功を確信した。
「────“メス”」
樹冠まで達したローは、両手で大きく幹をくり貫いた。