第25章 high sensitivity
アルコは一旦目を閉じて深い呼吸をしてから、目を開けた。変わらないローの顔があって、心拍数が少し元に戻る。
「そうだね。
…よし、ありがとう。今度こそ、大丈夫」
「…そうだ。“神”がわからねェなら、おれだけ信じてりゃいいんだ」
また自信満々に畏(おそ)れ多いことを…
でもローのその怖いもの知らずな、器の大きさには いつも救われる。
生気が戻ったアルコの瞳をみて、ローはよく出来た、とばかりにアルコの頭にぐしゃりと手を置いた。
そんな二人を間近で見ていたディンも、今まで感じたことのない不思議な感覚をとらえていた。
森に入った時くらいから、二人をまとっていた“嫉妬”のような気配が、二人の絆をみて“あきらめ”とともに浄化していくようだった。
しかし、そんな非科学的なことを学者として認める訳にはいかないディンは、そのことを決して口にはしなかった。