第25章 high sensitivity
「大丈夫ですか?」
「ええ。ありがとう」
花畑から離れた石の上に座ったアルコは、水をひとくち飲んだ後、小さな薄いボトルをポケットにしまった。
それでも不安は消えたとは言えず、アルコはディンに この国の“神”について聞いてみることにした。
「“聖なる森”…だけじゃなくて、この島に来てから、不思議なことに遭遇するんだよ。
この国は敬虔(けいけん)な国だって言ってたよね。ここの“神”って………どんな存在なの?」
「ここの“神”は、女王陛下と教会を通じて信仰するものです。政治的な意味合いも強いですから……ぼくの立場からは、なんとも言えないですね」
ディンの言い方は、まるでこの国の信仰に疑問を持っているようだった。所属を王国から海軍に鞍替えした経歴を持つ彼は、王国の支配に対して何か やりにくさを感じていたのかもしれない。
歯切れの悪い答えに、アルコはいまだにモヤモヤとした表情を解かずにいた。
「揺らぐな。アルコはアルコの“神”を信じればいいだろ」
「そうですよ。地域によって“神”のあり方は違うんです。もっとヒドイ島もあるんですよ」
「“もっとヒドイ”って…?!」
ディンは、自分の知識を使って励ましたつもりが余計なことを言ってしまった、と軽く頭を抱えた。
「その…、政治だけでなく私利私欲に“神”を利用するとか…、まぁ、とにかく“その島”のことは今はどうでもよくて………」
ディンのその言葉に、アルコの目にはさらに困惑の色が宿った。ローはすぐそばに膝まずいて、アルコの瞳を横取りした。
気づかないうちに震えるほど強く握りしめていたアルコの手に、大きな手を重ねて力強く言った。
「心に入れるな。コントロールするんだろ。また持っていかれるぞ」
そうだった
ローの冷静な声に救い上げられる。
“心”が弱い自分にとって、この場所はキツすぎるかもしれない
確かなものだけ信じよう
今は、目の前にある
確かなものだけを