第25章 high sensitivity
「“神”なんて、そんなもんなのかもね…」
“神”の仕業にするのは、結局は“人間”
自分の信じている“神”は、ひょっとしたらものすごく不安定で不確かなものなんじゃないか
“それ”が否定された時、はたして自分は自分を保っていられるんだろうか
不安が心を支配していき、アルコは身体があらゆる方向に沈むような感覚を覚えた。まるで重力が変化したようだ。
“心”を強く保とうと、ハートのネックレスに触れながらミホークの胸の十字架を想った。
十字架の母の墓標
確かなハズの 自分のルーツ
しかしそれも、すぐに青い花の匂いに追いやられる。
胸を覆い尽くす藍色の“もや”によって。
だって、つじつま合わせのように持ち出される“神”には、嫌悪感すら覚える。
でも………私は ────
「──── アルコ!!」
「…アルコさんっ!」
ローとディンの慌てたような声で、目を覚ます。
眠っていた訳ではないのに、一瞬 眠っていたような感覚に襲われた。しかし起こされて初めて、そんな状態だったことに気づいた。
「あまりココに長居しないほうがいい。感受性の強い人は、この花の匂いだけで あてられることがあります」
「ああ…、そうなんだ。ゴメンね」
ディンに支えられるようにして、アルコは花畑を背にした。
「オイ」
睨み殺すような勢いでアイビーにギロリと視線を向けたローは、刀を持つ手に力を込めた。
「連れて行くな」
「波長が合いすぎるんだよ。不可抗力」
緑色の瞳の奥に闇を宿したアイビーは、悪魔のようにニヤリと笑った。