第25章 high sensitivity
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三人は王宮の北東側に広がる森の入り口までたどり着いた。
黒い鉄格子のフェンスで仕切られているが、無理やり突破できないほどの高さではない。しかしフェンスの上端は槍のように尖っていて、侵入を拒む威圧的な雰囲気が感じられた。
ディンは観音開きのフェンスにぐるぐると巻きついた鎖のカギと格闘している。
「お前も行くのか」
ローがアルコとの間にいたアイビーに声をかけた。アルコはその姿に驚き、つい大きな声をあげた。
「ぅええぇっ?!
どしたのっ? アイビー、それ…」
今度はディンが、アルコのその声に驚き振り返るが、ディンにはアイビーの姿が見えていないようだ。
「アルコさん、大丈夫ですか? 何か問題が…?」
「大丈夫! なんでもないよ」
慌てて取り繕うアルコに、ローは不審な顔を向ける。
「どうしたんだ。コイツが突然現れるのは、いつものことだろ」
「いや、そうじゃなくて………」
アルコは“大人になった”アイビーの姿を改めて見た。
ローには、いつもの子供の姿に見えてるの?
私だけにしか見えてないの?
なんで??
相変わらず、穢れのない金髪に澄んだ緑色の瞳。綺麗な顔立ちはそのままで、少し広がったようにみえる目には大人っぽい雰囲気が漂っていた。
年齢はちょうど自分達と同じくらいだろうか。ローよりは背は低いが、アルコからは見上げる位置になり、白いシャツからは青年の身体つきが伺えた。