第25章 high sensitivity
「手伝ってもいいけど……しないよ」
「なんでだ。こんなに濡れてるのに」
浅いところを行き来していた指を引き抜いて目の前に掲げた。
てらてらと濡れた中指だけ立てて見せつける、その挑発的な仕草にプイッと顔を背けた。目の前にあるローのタトゥーに紛れた乳首を恨(うら)めしげに眺めていると
「………エロい味だ」
「えっ………ッ?!」
驚いて顔をあげると、ローはニヤついたまま中指を口に含んでいた。
その手を口から引き剥がすようにとらえて、あきれながらその指先を手で拭き取る。アルコはローのその手をそのまま引き寄せ、手の甲から手首にかけて ほほにすり寄せた。
「やめてよ……。
ね、もう少しスリスリしてて」
「………いいけど、寝ないか」
「寝ないよ」
ローの指の背がアルコの肩に触れる。
一瞬小さくビクリとするが、ノースリーブのワンピースの あらわになった肩から腕にかけてスリリ…と撫でられれば、ゾクゾクとした感覚に再び襲われる。
「はぁぁ………」
「これが いいのか」
「うん…。『好き』、それ」
恍惚とした表情をさらして、ローの上で身をよじる。ローは腕からわき腹、胸の膨らみをなぞるように慈しんだ。
穏やかな時間。
緩やかな愛撫。
『好き』
アルコも、ローの胸のタトゥーに沿って優しく指を這わせていった。
「ハッ………」
くすぐったいのか、ローはひとつ固い息を吐いた。
直後、ワンピース越しに撫でられていた固くなった乳首を軽くこねられる。
「あ……ッ…」
「じいさんが帰ってくるよ」
ガバァッッ!!
少年の冷ややかなその声に心臓が跳ねたアルコは、勢いよく起きあがった。
開け放たれた扉に目を向けるが少年の姿はなく、しんとした薄暗い廊下が変わらぬ様子でそこにあった。
「あの野郎……。
おれ達になんの恨みがあるんだ」
「なんでよ、逆でしょ。
教えてくれたんだから」
ベッドに仰向けに広がり ふてくされるローを見下ろしながら、アルコは立ち上がって着ていたワンピースを整えた。