第25章 high sensitivity
「なんで ローがココにいるの」
「そりゃ、いるだろ」
「なんで こんなに近いの」
「…なんでだろうな」
一緒にベッドで寝た記憶はない。
彼は、昨晩も床で寝たハズだ。
しかもなんでそんなに挑発的な格好なんだ。
横になったまま、目の前にある胸のタトゥーから、首もとまで視線をあげた。
アルコの首の後ろにある、ハートのネックレスの鎖をもてあそんでいたローの手がほほからあごに滑る。
あごをあげられたので、まどろんだまま目線をあげると近すぎる距離で目があった。
(近い………。
起きて早々に、刺激が強すぎるでしょ)
アルコは負けを認めるように、視線をそらした。
そのスキにローの方から近づいた唇が、アルコの乾いた唇に重なった。
ローは唇をついばんで濡らしてくるが、アルコはそれに応じず、肩のあたりを押し返す。
「んんっ……ちょっと、やめて。せめて なんか飲まして」
「………」
ローは身をひねって、肩から器用に起きあがり、ベッドサイドの水差しに手を伸ばした。グラスに水を注いでくれたので受け取るために身を起こそうとすると、ローは自分でグビグビと飲んでからアルコに覆い被さった。
「………んっ…」
これでも吸え、ということだろうか。
朝でも日が射さない薄暗い部屋の狭いベッドの上。間近に迫ったローの顔で視界は塞がれ、翳(かげ)りに包まれる。
口移しで注がれる水は、思いのほか、冷たかった。
口内に細く侵入してくる その冷たさが心地よくて、アルコは横になったまま、あごをあげてゴクゴクと飲んだ。
もういい、と言うように首を細かく振ると、ローは残りを自分で飲み下し、二人は自分の口をそれぞれの指でぬぐった。