第1章 “麦わら”との冒険
東の海(イーストブルー)
“航海士”を追ってアーロンパークへ向かう小舟。
*
“麦わら”、“コック”、ヨサクと呼ばれる賞金稼ぎとともに、彼女の姿はあった。
「いや~、コックと音楽家がいっぺんに仲間になってくれて、ついてるなー!」
麦わら帽子の少年は、晴れ晴れした表情で大きく伸びをした。
バラティエでクリーク一味を共闘して撃破したことで、彼女への警戒心も溶けたのだろう。
「待って! 私、『仲間』にはなってないから」
「なんでだよー。船に乗せろっつっただろ」
「乗せて欲しいけど、何て言うか…『乗客』として? グランドラインに入ったら、自分で何とかするから」
「帰りてェだけじゃないんだろ? 何か探し物?」
金髪の“コック”は、船の縁に身体を預けたまま言った。
「そうね、欲しい『情報』があるの」
「どんな情報? おれも力になるぜ~」
“コック”は、女性に対して労力を使うことを厭わない性格のようだ。
「どんなって…、私の『体質』…についてかな」
「特殊な『体質』なのかい?」
優しい言い方で、さらに踏み込んでくる。
一瞬だけひるんだ彼女だったが、すぐに冷静な瞳を薄く閉じて微笑んだ。
「フフフ……秘・密」
「ハァー、謎めいた君も、素敵だ~」
「そんなことよりさー」
「何が『そんなこと』だ! オロすぞてめェ!!」
麦わら帽子の少年は彼女の楽器 兼 武器である竪琴を無遠慮に指差した。
「それ、楽器だろ? ちょっと弾いてくれよ!」
彼女は立ちあがり、竪琴を胸元に抱え直す。
膝の上に乗せながら、もう一度同じ場所に座り、少年に負けない全面の笑顔でにっこり微笑んだ。
「もちろん」