第24章 老人と船
『… …』
ローもその海王類の巨体を、軋む船の上から見上げていた。
海王類“ジブラ”の絞るような鳴き声も
シルバーの慟哭も
次第にローの耳には届かなくなり、
アルコの竪琴の音色だけが
耳に残された。
『…… …… …』
ローは、まるで別空間にいるような感覚を覚えた。
その感覚のままに、ゼブラ柄の巨体が 何かを訴えるように動いているのを見つめ続けている。
『…………! …、………!! ………』
「何か、あるのか…?
…………その左のエラに」
「!!
ロー、もしかして…
“ジブラ”の言っていることが、わかるの?」
少年はローを振り返る。
ローは少年の声には反応せず、ユラリとした動きで左手を構えた。
「────“ROOM”」
「オイ!
……小僧……!!?
貴様、何をする気じゃっ!?」
シルバーの呼び掛けにも、ローは答えない。
アルコは激しく竪琴を打ち鳴らし続けながら強い眼差しで一度だけローを見たが、すぐに再び弦に集中した。
ローを信じてる
だから
私は 私に 出来ることを